いつも送ってくださるのはH川K子さま。「晴れの国」にふさわしい店名を持つ、大先輩のご同業です。
もう何年もの間、わたしたちにとってはニューピオーネの到来がイコール秋の訪れ、になっていました。
今年の札幌は9月に入ってからも高温が続き、いつまでも夏をひきずっていたので、濃藍色の新鮮な房々を目にしたときの嬉しさはいつにもまして格別でした。
「JA晴れの国岡山」の箱に入ったこの食べる宝石はとにかく新鮮なんです。わたしたちは房ごと(洗わずに)冷蔵庫に仕舞い、各自が食べる直前に食べるぶんの粒をもいで洗うことにしています。そのほうが鮮度を保てるから。
大粒のハリのある果実を噛みしめると、たっぷりの果汁とともに巨峰の甘みとマスカットの爽やかさが口中にひろがります。そう、ニューピオーネとは巨峰とカノンホールマスカットを交配し、それをさらに種なしに進化させたものなんですね。
近ごろはシャインマスカットが人気のようで、どこの店頭でもよく見かけますが、重層的な味わいならやはりニューピオーネに軍配が上がるでしょう。いえ、H川K子さまが送ってくださる産地直送のニューピオーネに、と言ったほうが正確かもしれません。しかもいまが旬の露地物の。
──なんて書くとK子さまへのおねだりになっちゃいますねとわたしが言うと、「そんな心配は無用の姐御だ」とダーリー。掌には3粒のニューピオーネが。
「これを立て続けに口に入れ、3粒いっしょに頬張る。するとおニューピオーネちゃんの…」(なんですか、その言い方?)「おニューピオーネちゃんの蜜がより濃厚になり、俺の口のなかは禁断の『3蜜』状態になる」
はあ!?
*写真はJA晴れの国岡山HPより許可を得て転載